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第9回 日本鱗翅学会自然保護セミナー 参加してきました。 2013.10.5東京

台風26号による伊豆大島での土砂災害の被災者にお見舞い申し上げます。

日本国内の蝶関係の学術団体としては、
歴史の古い「日本鱗翅学会1945年発足」があり、1992年には日本蝶類学会が発足したものの、2004年から内部分裂して、一年間は機関誌も発行できない状態で、2005年から日本蝶類学会・テングアゲハと日本蝶類学会・フジミドリ の二団体に分かれての活動再開となり、それぞれButterfliesという同名の機関誌を年4回出して活動されている。
蝶歴の浅いYODAは、昨年からキタアカシジミの斑紋研究をしており、春~秋ではフィールドでの撮影もあり、研究は進捗していかない状況ですが、査読付きというか学術論文を扱うのは日本鱗翅学会だけとのことで、昨年末から日本鱗翅学会に加入しております。
日本蝶類学会の方はそれぞれ年会費1万円なので、再び合流した際には入会したいと思っています。
(この2つの組織のどちらにも入会している人は若干名いるようですが)

◆2003.11.9(土) 日本鱗翅学会第60回記念 大阪府立大学創基130年記念 「公開シンポジウム」の案内
第9回 日本鱗翅学会自然保護セミナー 参加してきました。 2013.10.5東京_a0146869_16302154.jpg
 このときに、鱗翅学会の大会もあり、聞きたい講演がたくさんあるのですが、なかなかこのために出費できないのが、残念です。
ネット社会となっている現代では、今後このような講演のネット中継を希望します。

以下、10月に都内であった日本鱗翅学会の自然保護セミナーに参加して、簡単な感想を記載していきます。
掲載している画像は全く了解をとっているものでありませんが、日本鱗翅学会への入会を促すものとして、大目にみていただきたくでがんす(ご本人や学会関係者からの要請があればただちに該当画像を削除します)


◆2013.10.5(土) 第9回 日本鱗翅学会自然保護セミナー
             @東京大学本郷キャンパス 理学部2号館

10:05~10:35 基調講演 日本鱗翅学会会長 石井 実さん
「環境省第4次レッドリストからみた日本の昆虫の現状と危機要因」
第9回 日本鱗翅学会自然保護セミナー 参加してきました。 2013.10.5東京_a0146869_1634587.jpg

YODA:確か石井さんは日本昆虫学会の会長でもありましたか。実物を初めて拝見ですが、その写真写りのややこわもての感じとは違って、柔らかな話し方でありました。
レッドリストの選定種は蝶はともかく、他の種類の充実ぶりは、どの方面の専門家を選定委員にするかに大きく影響されるとのこと。

10:35~11:00 関東支部 (渡邉 通人さん)
「富士山北部におけるギンボシヒョウモンの分布変化について」
第9回 日本鱗翅学会自然保護セミナー 参加してきました。 2013.10.5東京_a0146869_1638093.jpg
第9回 日本鱗翅学会自然保護セミナー 参加してきました。 2013.10.5東京_a0146869_16404261.jpg

YODA: ギンボシヒョウモンが近年標高の高い場所で移動していってるとのこと。時間をかけての生態実態調査に頭が下がります。
樹木の植え過ぎは草原性の多様な生態系の破壊につながっているとの示唆があり、YODAもなるほどと強く実感しました。

11:00~11:25 信越支部 (四方 圭一郎さん)
「長野県における草原性蛾類の現状とレッドリスト改訂」 若き蛾の研究者。
何が減っているのかよくわからないことが分かったとのこと。


11:25~11:50 東海支部 (鈴木 英文さん)
「静岡県におけるレッド種に次いで減少著しい蝶類数種」
第9回 日本鱗翅学会自然保護セミナー 参加してきました。 2013.10.5東京_a0146869_16523822.jpg
第9回 日本鱗翅学会自然保護セミナー 参加してきました。 2013.10.5東京_a0146869_1653590.jpg
 静岡県での各希少種の衰亡状況の説明。 都道府県単位で蝶の生態を篤くモニターされている方々がいるのはなんとも頼もしいです。
このときの質問で、里山状態の衰退が里山系の蝶の衰退に繋がるということに対して、人類がまだ棲息していなときにそれらの蝶はどうしていたのだとの質問が出ており、YODAもその辺のことは昔疑問に思っていたので懐かしく拝聴です。
鈴木さんは柔らかく返答しておりましたが、YODAのこれまでの学習をまとめると以下のようになります。

昔は山崩れや河川氾濫・山火事などで裸地が自然に生成されていたところで、明るい草原性の場所が確保されてきたものが、人間が住むようになって、砂防ダムとか、河川改修が進み、土砂崩れ・河川氾濫も少なくなってきたということでしょうか。
そのようなときに、林業や雑木林活用としての定期的な伐採があれば、そこがうまく棲息地になって継承されてきたものが、山間地の過疎化・里山の放棄・荒廃でそのような期待もできなくなってきた。


11:50~13:10 昼食休憩 (12:10~12:55 自然保護委員会)
休憩時間では学会・自然保全委員会の集まりがあって委員以外も参加してよいというので、YODAも途中から聴講です。保全協会の中村さんがツシマウラボシシジミの状況を説明されて詳細は11月発刊予定のチョウ類保全協会の機関誌に掲載するとのことでした。
この場で石井会長は、内閣府決議付帯事項で、2020年までに「種の保全」の対象を300種に増やす計画になっているので、自然保護委員会からの推薦を上げて欲しいとのことでした。

13:10~13:40 招待講演 東京大学大学院総合文化研究科 倉島 治さん・斎藤 昌幸さん・伊藤 元己さん
「チョウ類の分布解析から分かること」
2002年3月発刊の環境省自然環境局実施の分布調査をもとに各種気象データや食草分布などから、現状の分布に実態と将来予測のようなものを統計的に検証しようとするもの。
なにか見えてくるといいですね。 

13:40~14:10 特別講演 国立科学博物館 神保 宇嗣さん
「ガ類の絶滅危惧種はどこまで分かっているのか? 現状と今後」
第9回 日本鱗翅学会自然保護セミナー 参加してきました。 2013.10.5東京_a0146869_17272985.jpg

こちらも若手研究者で、立て板に水の話し方で、さどかし頭の回転の素晴らしい人だろうと想像しました。
蛾の世界的な状況や、博物館の標本が画像リストになっているはなしなど参考になりましたが、蛾の絶滅危惧種の検討はこれからであるというのは、先の方と同じでした。

14:10~14:20 休憩

14:20~14:45 近畿支部 (森地 重博さん)
「近畿地区におけるチョウの生息状況,および近年のシカ害の影響」
第9回 日本鱗翅学会自然保護セミナー 参加してきました。 2013.10.5東京_a0146869_1730374.jpg
第9回 日本鱗翅学会自然保護セミナー 参加してきました。 2013.10.5東京_a0146869_17311894.jpg
 近畿全域の蝶の衰亡を概観しながら、近年激しくなった鹿害実態を実例を示しながら紹介されていました。
鹿害対策は、国をあげて取り組んで欲しいと実感できました。
(ハンターの高齢化、食肉として流通価値が乏しく、ペイしないこと。と言って埋めるのもすごい労力。仕留めても獲物をそのままそこに残すわけにもいかないようで。大きすぎる動物はかように厄介なのですね。
自衛隊の訓練の一環でディア・ハンティングを行い、頭数制限を行っていくのはどうでしょうか?
近年のシカの急増は温暖化により、冬に小鹿の死亡率が減少したことが大きいそうですが、米国のイエローストンパークのように、オオカミを導入する話にならないのが日本の辛いところです)

14:45~15:10 中国支部 (伊藤 國彦さん)
「中国地方の蛾類概要」
YODAの田舎が山口県だけに、このような中国四県の同好会があったのかと、頼もしく拝聴できました。

15:10~15:35 四国支部 (窪田 聖一さん)
「四国における蝶類の最近の状況」
第9回 日本鱗翅学会自然保護セミナー 参加してきました。 2013.10.5東京_a0146869_17353357.jpg
第9回 日本鱗翅学会自然保護セミナー 参加してきました。 2013.10.5東京_a0146869_17363853.jpg
 四国は植林率が高く決して自然豊かではなく、また山間地の過疎化も進み、蝶の棲息にとって危機的であるとのご説明でした。
四国にはカラスシジミもごく少ないことなど参考になりました。
しかし日本は植林(人工林のこと)のし過ぎであるのは明らかでしょう。
林野庁とかその点を全く反省しないどころか、世界に類をみない、山が荒廃していない森林率とか言って誇っているのが、なんとも困ったものですね。

15:35~15:45 休憩

15:45~16:10 九州支部 (宮城 秋乃ちゃま)
「沖縄県東村高江のリュウキュウウラボシシジミ大発生地を脅かす米軍ヘリパッド建設問題」
第9回 日本鱗翅学会自然保護セミナー 参加してきました。 2013.10.5東京_a0146869_17392788.jpg
 九州支部の自然保護委員をされているとか。
蝶の観察や写真撮影をしているだけではなく、もっとこのような自然破壊行為にみんなで立ち上がって欲しいということをこの笑顔で力説されておりました。
サラリーマンの身では、なかなか意見発信できない自分を情けなく思いました。

16:10~16:35 東北支部 (工藤 忠さん)
「東北地方におけるゴマシジミの生息状況」
第9回 日本鱗翅学会自然保護セミナー 参加してきました。 2013.10.5東京_a0146869_1743178.jpg
ゴマシジミの東北地方における生息状況を自らの長年の経験のもとに説明されていました。
特に、竜飛崎での今やモニュメントとして残っている風力発電による風況変化の影響か、デリケートに生育していたゴマシジミの食草が全滅したというくだりに、安易な地形変造や人工物構築の環境影響評価は難しいものだと実感しました。
また他の場所では、特別保護区ゆえに人の手を入れられずに希少なゴマシジミを救えない事例もあるとかで、もっと柔軟な法律の運用はないものかと思いました。自然放置がベストでないことも多いとの貴重な例示でした。

16:35~17:25 総合討論
矢後先生の司会で、全体質問を受けながら、シカ対策とかで議論が進みました。

17:30 閉会
準備の方々・講演された著名な方々に感謝です。

18:00 懇親会 東大構内(本郷銀杏・メトロ[法文2号館下])
ここで東北ではなにかとお世話になる工藤さんにご挨拶でした。
他いろいろな方々と懇親できて楽しかったです。
アキノ隊員である宮城さんとはその後二次会で強引に名刺交換しました(笑)

その宮城さんがデザインしたという入会案内です。
第9回 日本鱗翅学会自然保護セミナー 参加してきました。 2013.10.5東京_a0146869_17545326.jpg

この会も毎年のように会員平均年齢が上がっているとかで、みなさんのご加入をお待ちしております。
by yoda-1 | 2013-10-18 18:08 | ☆展示会等