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テングチョウ 雌雄比較図 Ver.1.1

皆さんのブログで頻繁に登場するようになったテングチョウの雌雄識別法です。

テングチョウは日本産を含むインドから東アジアの個体は、長らく欧州から分布しているLibythea celtis (European Beak)と同一種別亜種とされていものが、Kawahara2006で、種に格上げされて、Libythea lepita(Common Beak)になっております。
2006.8月発行の学研大図鑑もタイミングよく変更していて、たぶんインドの学者が旺盛に記述している英文Wikiでもそのようになっています。
ただ和文wikiはまだ未対応で、YODAのよく参照するFUNETも亜種扱いのままであります。
先の、Kawahara2006の標本画像を見ると、European Beakの方は前翅の大斑紋がえらく矩形であるのが微妙に違っている印象を受けました。

テングチョウは基本年1化とされますが、結構2化の記録も出てきているのが面白いですね。
もともと年一化の遺伝子が、ちょっとした刺激で信号がかわって越冬するはずの蛹が年内に羽化信号を受けたりするのでしょうか??
これも論文検索すると、なんと福島県のキマダラルイツバメで御世話になる角田さんの報文がでてきました。

この春、観察しやすいのは同じ場所でテリ張りしていう♂雄個体ですが、吸蜜シーンでは当然♀雌個体も観察できるのでしょう。

#1・テングチョウ 雌雄比較図・・・・画像クリックで拡大へ。
a0146869_6564717.jpg
 基本は「♀雌の方は翅が長い」ということでしょうか。その影響もあり、前翅では明色斑が♀雌で横長になり、後翅では細長い翅形に外縁の丸みが出てきています。
だいたい①の前翅端の角度と、後翅外縁の直線部の長さが大きな識別点になるようです。
④では横長になる明色斑で外縁部のマージンが♀雌で狭くなる様子を補助線で図式化しましたが、南西諸島産では♂雄でも明色斑が大きくなって、このマージンも狭くなるので要注意です。

いつもながら、全体の翅形から受ける印象を含めて、複数の識別点を総合的に判断することを要求される紛らわしい個体もあるようです。

(追記2012.4.1)昨日、4月末に発行される保全協会編集のチョウ類フィールド図鑑をチェックしているうちに気がついたのですが、⑥の前脚は、♂雄では毛毛がるのですが、♀雌では積極的に活用していて、吸蜜時などは6本脚状態になっているようです。
タテハチョウ科は英語では brush-footed butterflies で前翅は毛毛が多くて日頃からだを支える機能がなく、4本脚に見えることに特徴づけられますが、テングチョウ亜科ではその♀雌は前脚が頻繁に使用されているようで驚きであります。
ちょうどシジミタテハチョウ科が確か♂雄は4本脚で、♀雌が6本脚で活動するので、そちらに近い感じにねっているようです。

後翅裏の中室下端の翅脈が♀雌では例示のようによく濃くなっていますが、この部分は♂雄個体でも目立つものがいるので、注意が必要です。
参考 →ごまさん撮影の♂雄個体
by yoda-1 | 2012-03-26 23:34 | ☆識別検討室☆