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カテゴリ:カラスシジミ( 3 )

カラスシジミ 産卵直後の緑の卵  2015.6.7秩父市

鱗翅学会から提出した論文の査読コメントが来ました。
「採用決定」を待っていましたが、そんなに甘くないことを実感です。
早々に多くの指摘事項に従って修正していきたいですが、この週末は鳥取大会でこの投稿した論文内容の講演があり、その後紀伊半島などを巡って帰宅するので、そのように迅速に対応できないのが残念です。
指摘の中には同意できないものもありますが、いわば無料でアマチュア研究者にいろいろ教えてくださるのは、それは有難いことです。

さて、今年度過去ものです。
この日は秩父方面のクロミドリシジミの撮影が主目的でしたが、クロミドリは少ないもののなんとか観察できたので、
カラスシジミの観察場所へ移動でした。

大きなハルニレのある場所では、ところどころで♀雌が産卵場所を探しておりました。

#1-2・カラスシジミ♀雌A 11:54
a0146869_05381694.jpg

a0146869_05382575.jpg
おおいるいるという感じで、当日初見の個体は食樹の小枝をぐるぐる移動しておりました。
産卵の目撃が訪問の主目的ですが、なかなか卵を産んでくれません。

#3-6・カラスシジミ♀雌B 12:09
 
a0146869_05490661.jpg
a0146869_05491712.jpg
a0146869_05494410.jpg
a0146869_05583371.jpg
この個体は、#3の画像にあるように、左側後翅に羽化不全のようなものがありました。
ここまで色合いが濃く,尾状突起も短いと♂雄のように見えますが、丸々した腹部と、前翅前縁の頭部上でのせり出し具合は♀雌でよいようです。
実際に最後の画像では♀雌らしい色合いになっており、撮影条件の影響があったようです。

#7・カラスシジミ♀雌C 12:20
a0146869_05584166.jpg
なんとこの個体は、ハルニレの葉上で横倒れ日光浴でくつろいでおりました。

#8-12・カラスシジミ♀雌D 12:37
a0146869_06053416.jpg
a0146869_06054674.jpg
a0146869_06055701.jpg
a0146869_06060942.jpg
a0146869_06062709.jpg
この子は二つ目の画像#9で産卵ポーズですが、どうも実際には卵を出していないようです。
最後の画像で「どや顔」をされて、卵はそう簡単に撮影させないよと言われている感じでした。(笑)

#13-16・カラスシジミ♀雌E 産卵と卵 12:43
a0146869_06131017.jpg
a0146869_06133345.jpg
a0146869_06135584.jpg
a0146869_06140557.jpg
これはさすがに産卵しただろうと、頭上の枝をたぐり寄せるとそこには緑色の卵が眩しく?輝いておりました。

折角の機会なので、この卵は研究のためお持ち帰りにしました。

#17-18・カラスシジミ卵 ・・・産卵後7時間以上経過
a0146869_06210859.jpg
a0146869_06211764.jpg
綺麗な緑色は保持されておりました。

#19・カラスシジミ卵 2015.6.10撮影
a0146869_06213189.jpg
3日経過で、さすがに緑色が消滅してしまいました。
カラスシジミは卵越冬で、多くのゼフィルス類の卵越冬と同じように、卵の中で初齢幼虫になって冬越しするから、このように色が早々に変化するのかなと思って、保育社・蝶類生態図鑑Ⅲ1984をみると、その辺の記載はないようです。
むしろ「産み付け当初は灰色で、のち汚れた灰褐色となり樹皮の色に似て見つけにくい」と記載があります。どうみても灰色ではないですが、どこかの引用過去文献にそのような記載があったのでしょうか?

生態図鑑も最新の知見で修正が必要な箇所はそれぞれの種で、まま出てくるのでしょうが、なかなか大変な作業となり、ずっと改訂されない可能性も大です。

◆蝶類科学学会の入会案内  →こちら。
なにか、今年度中の入会が、さらにお得になっております。
未入会の方は、是非ご検討ください。

by yoda-1 | 2015-10-30 06:37 | カラスシジミ

カラスシジミ  何故ゼフィルスではないのか。 2013.7.14-15北海道33

北海道で必死にカラスシジミを撮影していると、同行の北海道出身のごまさんに、北海道でカラスシジミを撮影する人はいないとたしなめられました。

そのせいか、今年の北海道遠征で♂雄個体が撮影できておりませんでした(笑)

#1-3・ カラスシジミ♀雌 吸蜜@ヒメジョオン  2013.7.14定山渓 
a0146869_513276.jpg
a0146869_5133713.jpg
a0146869_5134961.jpg
 3つ目は♀雌らしい腹部が写っています。

#4・ カラスシジミ♀雌 2013.7.14小樽市・カシワ林 
a0146869_5162368.jpg
 遠目にハヤシミドリかと思いきや、カラスでごさいやした。

#5-6・ カラスシジミ♀雌・別個体 2013.7.15定山渓 
a0146869_5175613.jpg
a0146869_518749.jpg
 どちらも♀雌ですが、二つ目の個体の前翅の丸いこと。いろいろな個体が同一場所にいるということは、カラスシジミの北海道における個体数も多いことの傍証でしょうか。

♂雄が写っていなかったので、過去画像から援用しての雌雄比較図です。
#7・ カラスシジミ 雌雄比較図 
a0146869_521778.jpg
 撮影時の状況もあり、少し雌雄の色合い差が極端になりました。
尾状突起の長さにこんなに雌雄差があるとは、国内の他種ではないような感じです。(もちろんカラスシジミ属4種には共通している傾向です)

腹端形状もこのように明解だといいのですが、なにか♀雌っぽくなるときもあるようなのがややこしいです。
その例示です。

#8・ カラスシジミ♂雄 栃木県産  
a0146869_547471.jpg
この個体は前翅中室端上部の性標部分のマークが翅裏にもよく出てきています。(どの♂雄もこのようでないのが不思議ではあります。#7の比較個体♂雄も翅裏での性標マークは不鮮明です)

しかし、カラスシジミは登場時の初見印象では、その白線模様からゼフィルスと勘違いしてしまいます。
卵越冬で年1回の発生であるし、テリ張りしている姿もゼフのようで、どうしてゼフィルスの仲間に入れないのだと、たまに苦情?が出てきます。

そこで、ゼフィルスの代表種であるオオミドリシジミとの翅脈比較図を作成しました。

#9・ カラスシジミ♀雌 × オオミドリシジミ♀雌 翅脈比較図 
a0146869_5314420.jpg
 この前翅での翅脈の出方の違いがカラスシジミ属が、ゼフィルス類に入れない理由になっているそうです。
ゼフィルス類の厳密な定義は、世界のゼフィルス(小岩屋2007)にあり、比較図の表現ではやや不正確になる場合もあるようです。(第6翅脈が第7+9翅脈に中室端で接する種類もあるようです。カラスシジミは2本が中室端翅脈で離れて分岐している。)
また、カラスシジミ♂雄の前翅翅脈では、性標マークが翅脈分岐点に配されます(北隆館・検索図鑑1990 p.36参照)

卵・幼虫とかの形態差もあるのでしょうね。
生態面では、カラスシジミ属は、ご存じのように絶対に開翅日光浴や開翅テリ張りをしないことでしょうか。
コツバメなどと同様に、閉翅したまま翅を倒して、日射に直交させる、閉翅傾斜日光浴をします。
ゼフィルスの♂雄は特に高等種になるミドリ系ゼフでは、テり張りで、し翅表面を開いてライバルや異性にアピールしますが、カラスシジミは閉じたままでのスクランブル姿勢です。
by yoda-1 | 2013-11-30 05:44 | ★カラスシジミ

カラスシジミ  ウラキンの輝き!!  2012.7.28栃木県①

◆トップ画像:カラスシジミ雌♀
a0146869_1852345.jpg


この週末の土曜日は、栃木県の高所訪問です。
例年この時季は信州ばかりなので、今年は北関東を攻めることにしたのです。
過去によくカラスシジミを観察できるのですが、訪問が遅くて損傷のある個体ばかりだったので、
今回早めに訪問することにしました。
すると名物のフタスジもあちこちで飛翔しており、楽しめました。

#1-2・フタスジチョウ 吸蜜@ホザキシモツケ 
a0146869_793723.jpg
a0146869_795019.jpg
 実は栃木県でのフタスジチョウは初めての撮影です。
でも、天気もよくみんな元気に飛び回っていることが多く両開翅のいい画像が撮れませんでした。(撮れても損傷がある個体ばかりで・・)

この高所では繁殖にきている野鳥も多いようでした。

#3-6・コゲラ、ウソ幼鳥、アオジ♂雄、ホオアカ♂雄 
a0146869_713197.jpg
a0146869_7134794.jpg
a0146869_7135814.jpg
a0146869_714870.jpg
 特に二つ目の#4ウソ・幼鳥は初見でありました。
撮影当初、カワラヒワの仲間だろうと思いましたが、どの種なのかよく分かりませんでした。
これがあのウソになるとは、文字通り信じられません。

#7ー11・カラスシジミ♂雄(複数個体)・・・撮影順に紹介 
a0146869_717466.jpg

a0146869_718015.jpg
a0146869_7182042.jpg
a0146869_7184077.jpg
a0146869_7185714.jpg
 特に終わりから二つ目のパスト連写はうまくいきました。
♂雄の特徴の前翅前縁の性標もぎりぎり確認できます。

#12ー16・カラスシジミ♀雌(複数個体)・・・これも撮影順に紹介。
a0146869_7214442.jpg

a0146869_7172816.jpg
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a0146869_722471.jpg
a0146869_7225896.jpg
 特に上から二つ目#13は光線具合でウラキンシジミのように輝いて面白く撮れました。
最後の#16は、食樹のハルニレに戻っているシーンです。
♂雄も♀雌も食樹近くのホザキシモツケでの吸蜜に忙しそうでありました。

この場所では過去には8月中旬以降の訪問でしたので、古いカラスシジミの観察しかできなかったは説明した通りですが、今回はその場所では吸蜜する花がなくて、少し探しましたが、いい場所にハルニレがあって、個体もまずまず新鮮なタイミングになりよかったです。
もう一週間早いほうがカラスシジミのベストなのかもしれません。


◆カラスシジミ・幼虫画像
この5月に秩父市で撮影した幼虫の紹介です。
#17ー18・カラスシジミ 中齢幼虫@ハルニレ 2012.5.13秩父市 
a0146869_7272764.jpg
a0146869_727346.jpg
 tef-teffさん発見のもの。

#19-21・カラスシジミ 終齢幼虫@ハルニレ 2012.5.20秩父市 
a0146869_7292052.jpg
a0146869_7292668.jpg
a0146869_7293751.jpg
 上記個体の一週間後の姿です。
緑が濃くて、突起も多い幼虫でした。

#22・カラスシジミ 前蛹@ハルニレ下の古タイヤ 2012.5.20秩父市 
a0146869_7304873.jpg
 これは同行の春日部市Sさんが発見して、同行のtef-teffさん、banyanさんもビックリでありました。

当然後日蛹の確認にいくも、体液が吸われて、前蛹時分の表皮だけになっておりました。
カメムシの類に体液を吸われたのだとうとの推測ですが、自然界は厳しいものです。


信州行きを我慢しての栃木県高所訪問での目標は一つ達成できて、一安心でした。
by yoda-1 | 2012-07-31 07:34 | ★カラスシジミ