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キチョウ(Eurema)属類似3種の翅裏比較図

今期、八重山諸島に行かれた「暖蝶寒鳥」のごまさんより、キチョウ類3種(キタキチョウ、ミナミキチョウ、タイワンキチョウ)の画像を送っていただいたので、早速比較図を作成してみました。
◆追記2015.2.2
 その後の検証で、比較図に採用したキタキチョウ♂雄は、ミナミキチョウ♂雄の方だと判明しました。やがてその検証内容を掲載します。


#1・キタキチョウ×ミナミキチョウ×タイワンキチョウの比較図・比較表・・・画像クリックで拡大へ
a0146869_21421629.jpg
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 図鑑では後翅外縁部の折れ点①の比較点で、まずタイワンを識別し、次に前翅外縁の縁毛色の違いで、キタとミナミを識別せよとなります。
標本個体は別にして、フィールド画像から縁毛色を見るのは少し難しいようです。翅表側で黒斑部分との対比で観察できればよいのですが、キチョウ類はまず閉じたままで静止・吸蜜・吸水活動します。また縁毛はしばしば消耗していることもあります。
 縁毛色:キタ=黄色、ミナミ=黄色・褐色が混じる、タイワン=褐色
となっていますが、縁毛は2層構造で、ミナミでは翅表側が褐色で、翅裏側が黄色だそうです。
そうなると翅裏観察ではますまずキタ・ミナミの差が出てこないように思われます。
その中で、たまたま斜め後方から撮影である比較図のミナミ♀雌例示個体では黄色・褐色混在の縁毛具合が判るような気もします。

①の折れ点を確認した後は、後翅の2辺の長さをみて、肛角側の辺が長い方がキタキチョウと判定できそうですが、個体差もあるので、他の比較点も見ながらのキタ・ミナミ判定になるのでしょう。
また2辺のそれぞれの丸みはキタが直線的で、ミナミは少し丸みを持つ傾向があります。

翅長はキタの方が長めとなり、ミナミは全体として丸みがキタより強くなっています。
ちょうどスジグロシロチョウとヤマトスジグロシロチョウの翅形差に近い関係と言えなくもないですが、その差はわずかであり、総合的な判断も必要でしょう。
他の比較点も大きな傾向を言っていることが多く、ごく種間で連続的に変化しているので、3種の識別は難しいことに変わりないようです。
これはミナミキチョウと判る画像を掲載しているサイトは少ない感じですが、下記リンク先では丸さがよく判ります。
サイト1
サイト2

また、国内のキチョウが2分される契機となった論文でも両種の標本がたくさん掲載されています。
因みに、キタキチョウの別種提唱論文はこちらです。

とにかく3種の中では一番丸っこいのです。

タイワンの後翅外縁の丸さも、特に尖っている感じの個体もありますが、タイワンは英語名がThree-spot Grass Yellow となるように、⑦の前翅基部側の3つの小斑点を確認するのがごく決定的になります。ただ、いつも見える状態でないのが苦しい比較点ではあります。

今回のうれしい副産物は、先のツマグロキチョウ雌雄翅裏比較図でも記載しましたが、後翅前縁の第8室の形状をみると、雌雄判別できることでしょうか。
この部分がよく視認できるようにピンク色の線で輪郭どりしましたが、タイワンキチョウでは翅脈もよく判るので、是非画像クリックで拡大して確認してください。

貴重な画像を提供していただいたごまさんに感謝です。

(ご注意)
ミナミキチョウの正式和名は「キチョウ」ですが、議論上紛らわしいので、別称のミナミキチョウを使用しています。
個人的に、国内種の和名における種名にはグループ名兼用が多い(アゲハチョウ、ヒカゲチョウ、ヒョウモンチョウなど)のですが、このやり方は混乱も多いので、諸外国のように、グループ名と種名は別にして欲しいとよく思います。
キマダラヒカゲに2種いたと判明した際に、キマラダラヒカゲ、ヤマキマダラヒカゲにならなくてよかったです。
by yoda-1 | 2011-12-08 07:05 | ☆識別検討室☆