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類似☆ ヒョウモンチョウ × コヒョウモン Ver.3.1 2011.5.16改訂

新規作成のこちらもご参照ください。
・ヒョウモンチョウ×コヒョウモン 翅裏比較図2
・ヒョウモンチョウ×コヒョウモン 翅表比較図2


<本記事>
識別(同定、区別、違い、比較)検討室の第三弾は、たまに難しいことがあるヒョウモンチョウ(ナミヒョウモン)とコヒョウモンです。

・ヒョウモンチョウ Brenthis daphne  Bergsträsser, 1780
・コヒョウモン   Brenthis ino  Rottemburg, 1775

ヒョウモンチョウは東北北部にもいるそうですが、どちらも本州中部高所と北海道に分布する小粋なヒョウモンチョウ類でしょうか。国外ではユーラシア大陸に広く分布するそうです。
本州中部での主食は、ヒョウモンチョウがナガボノシロワレモコウで、コヒョウモンの方はオニシモツケだそうです。
前者は高原に多く、後者は渓流沿いとかに多いとか。オニシモツケが「山地亜高山の沢沿いなどに生える多年草」とあるので、食草の影響なのでしょう。因みに、ナガボノシロワレモコウは「山野の少し湿った草地に生える多年草」。

翅表比較画像☆ ヒョウモンチョウ♂×コヒョウモン♂の比較
   ***画像クリックで拡大へ(以下同様です) 
a0146869_164533.jpg
 この内、基本差A,B及び比較点④~⑥は、図鑑によく例示されています。
基本差Aの斑紋の大きさなどはなるほどで、ヒョウモン♂は基本差A・Bでフィールドでもすぐに認識できることが多いと思います。
しかし、ヒョウモンチョウ♀は♂に比較して斑紋も大きく、また基本差Bの前翅外縁の丸み具合は同じくヒョウモン♀が少し丸くなったりして、撮影角度の影響もあり決めてにならないケースも出てくるようです。
比較点④の三斑紋の間隔は、確かに多くのコヒョウモンにおいて中点が内側に寄りますが、ヒョウモンでも内よりになっている個体をダンダラさんが撮影されています。
⑤や⑥は傾向差を言っているだけなので、参考にとどめる方がよいように思います。

有力な識別比較点として①の3本の前翅斑紋列の配置具合を提案します。
この傾向は、各種図鑑で検証してもその傾向は強い気がします。ただし、北隆館・検索図鑑にある#989の青森産の個体など、ヒョウモンの♀個体にはコヒョウモンと同じような配置となる紛らわしいのがいるようです。
②の斑紋の大小比較もかなり有効だと思います。
③は少しマニアックかもで、個体によってはどっちかよく判らないものもあるようです。
①~③それぞれ紛らわしい個体も若干あるので、基本差と合わせての総合的判断がいるケースもあるのでしょう。

翅裏比較画像☆ ヒョウモンチョウ♂×コヒョウモン♀の比較 
a0146869_2215255.jpg
 ダンダラさんからの最初のコメントが契機となり、見つけた翅裏の比較点⑧も追加掲載しました。
こうやってみても、かなり色が違う感じで、それに呼応する触覚先端の色までオレンジ系・黄色系で違っている(この比較個体の場合)のが興味深いです。


それでは、♀の画像も紹介して他の例示画像で比較点の検証です。

◆ヒョウモンチョウ

例示1☆ ヒョウモンチョウ♂ 2010.7.4 高崎市・・・ジョウザンには早すぎでした。 
a0146869_0292743.jpg
 これは比較画像の個体と同じ場所ですが、撮影当初は外縁部が濃くなり、♀だ♀だと思いましたが、腹部の細さと長さは♂でした。
比較点①、③はバッチリですが、②の「2斑紋がほぼ同じ大きさ」が完璧ではない個体です。

例示2☆ ヒョウモンチョウ♀ 2010.7.4 高崎市
a0146869_485475.jpg
 腹部が長めですが、腹端の尖り具合、後翅後縁の丸みで、♀個体でよいようです。
例示1とでは完璧でなかった、②の二つの斑紋はほぼ同じ大きさです。

例示3☆ ヒョウモンチョウ♂ 2010.7.24 東御市・・・ミヤマシロチョウ初見の日に。 
a0146869_0294728.jpg
 基本差及び比較点①~③を満たす典型♂個体です。

例示4☆ 同上ヒョウモンチョウ♂・翅裏 2010.7.24 東御市・・・比較画像
a0146869_0302087.jpg
この個体の場合、前翅裏にある①~③に対応する斑紋でも、ヒョウモンと判定できそうです。



◆コヒョウモン
例示5☆ コヒョウモン♀ 2008.7.19 志賀高原・・・探鳥が主目的だが、本種初見に感激。 
a0146869_0281878.jpg
 初めてコヒョウモンに遇ったときの個体。
①の特徴がよく出ていますが、比較点②の斑紋の大きさがほぼ同じで弱いです。

例示6☆ コヒョウモン♀ 2008.7.21 戸隠高原・・・赤い鳥の撮影で。 
a0146869_0284439.jpg
 比較点①で、斑紋列a,bが一見離れているようで、三列の比較では中央b列は外側ア列寄りが強いです。の斑点の大小もコヒョウモンの特徴です。
腹部は比較画像にある♂より、ふっくらして腹端に怪しい派手な毛毛はありません。

例示7☆ 同上コヒョウモン♀・翅裏 2008.7.21 戸隠高原 
a0146869_029370.jpg
 全体として、基部の明黄色の斑紋の外縁側のボーダーが丸みを持ちます。(後日、翅裏比較図に記載予定)

例示8☆ コヒョウモン♀ 2010.7.19 乗鞍高原・・・乗鞍岳登山を終えて。
a0146869_03057100.jpg
 腹部の膨らみ具合と腹端の様子で♀。
①③の特徴が弱く、撮影時はヒョウモンチョウ♀かと迷いましたが、前翅外縁が丸っこさ、及び比較点②の大小がはっきりしているので、コヒョウモンで間違いないようです。 

例示9☆ 同上コヒョウモン♀・翅裏 2010.7.19 乗鞍高原・・・比較画像 
a0146869_0311559.jpg
 本来はこの上下位置になっていました。
コヒョウモン♀にしては、前翅端の丸みが弱い感じですが、やや斜め前方から撮影したことによる影響だと思います。翅形からの判断はこの辺の注意が必要になるようです。

例示10☆ コヒョウモン♂ 2010.7.19 乗鞍高原 
a0146869_0313899.jpg
 前翅尖り具合と腹部の細さで♂。
これは、①~⑥すべて合格です。

例示11☆ コヒョウモン♂・透過 2010.7.19 乗鞍高原 
a0146869_032787.jpg
 透過してしまうと、比較点⑦⑧の判定が困難に。
前翅外縁の丸みもそうですが、この場合前翅裏での②対応の2点の大小比較も有効な感じです。

例示12☆ コヒョウモン・交尾 2010.8.1 上高地・・・オオイチモンジ♀を探したときに。 
a0146869_0323757.jpg
 ♂♀の前翅外縁の丸み具合の微妙な違いが分かります。
このカップルは、⑦は鮮明。⑧はその形状も認識できないような感じです。

例示13☆ 同上コヒョウモン♂♀ 2010.8.1 上高地 
a0146869_0325465.jpg
 先の交尾個体が撮影者の干渉でばらけたときのもの。(画像は手前に細い葉がかぶっています)
腹部の違いがよく分かる構図になりました。
学研・標準図鑑によると交尾飛翔がある場合と、このように飛翔しない場合と二通りの報告があるとか。どうちらが真実なのでしょうか?それともどちらもありうるのかもです。

例示14☆ コヒョウモン♂ 2010.8.22 松本市・・・オオゴマシジミ初見の場所で。
a0146869_0331199.jpg
 高所には結構遅くまでいる感じです。(この個体は②③が弱いですが)

Moreクリックで、図鑑の翅裏画像がご覧になれます。(画質は荒いです)

2011.5.16改正点:従来のバージョン2.1では、ヒョウモンチョウ例示画像1~3が、ごっそりコヒョウモンの間違いでした。お恥ずかしい次第です。   



図鑑における翅裏画像その1☆ 原色蝶類検索図鑑 北隆館1990.3
a0146869_21414333.jpg


図鑑における翅裏画像その2☆ 日本産蝶類標準図鑑 学研2006.8
a0146869_2142219.jpg


注意★本画像は無断転載ですが、著者の了解のいならない、私的な研究目的における無断引用(合法)として行っていますので、ご了解の程、よろしくお願いします。
→「引用」について
by yoda-1 | 2010-11-06 23:51 | ☆識別検討室☆