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セセリチョウの触角雌雄差研究と行事予定

鱗翅学会関東支部の秋のつどい(10月14日@東大理学部2号館大講堂)で発表した内容は
「セセリチョウの触角形状」についてで、その多様性を紹介するものでした。
単にセセリチョウとしたので、国内の37種の画像を揃えていくのが大変でした。
蝶友の画像も借り受けますが、ないものはないで、特にアオバセセリ亜科の仲間(タイワンアオバセセリ、オキナワビロウドセセリなど)
は基本開翅して止ることがないので、翅表の撮影情報が極端に少ない感じです。
ましてや、正面から撮影したものがほぼ皆無です。
なかなか37種のコンプリートは蝶友の助けを借りても困難であります。
発表で使用した画像を少し紹介します。

a0146869_13092716.jpg
セセリチョウの触角は多くの場合、先端が曲がっていて特徴的です。
触角先端はこん棒部(club)と呼びますが、こん棒部のさらに先端の方をふ先(apiculus)と呼ぶそうです。
画像ではアカセセリ♂雄の触角先端の顕微鏡画像を載せていますが、先端では鱗粉もなくnudumと呼ぶそうです。
ここに感覚器の出先があり、空気中の化学物質を感知するのだとか。触角が2本あることで、その濃くなる方向も感知できるのでしょう。
a0146869_12564201.jpg
この秋には各所に出没するイチモンジセセリですが,触角のふ先部分が赤くなっていてよく目立ちますね。
雌雄での模様差はないようです。
a0146869_12571900.jpg
最近なかなか観察できなくなってきているキマダラセセリです。
♀雌の正面画像がないので、この秋第二化を期待して各所を巡りますが、出遭いはありませんでした。
2化そのものが非常に少ないのでしょうか。
右下の画像はkontyさん撮影のものを借用しました。正面ではないですが、触角の前方側模様がよく撮れています。
このようにキマダラセセリでは、触角こん棒部基部前方で雌雄で模様差があり、♂雄の方が黄色くなり,♀雌は黒いままです。キマダラセセリは開翅していても♂雄翅表の性標は目立たないので、この触角先端の色違いは雌雄判別に非常に有効です。
このような雌雄差があるのは国内の37種のセセリチョウで、どの種類がそうであるかの発表になったのです。

◆行事予定
・2017年11月4日-5日 鱗翅学会・仙台大会
大会案内は鱗翅学会のHPをご覧ください ⇒大会案内
プログラムへのリンクを設定しました ⇒大会プログラム
大会プログラムにある
11月4日(土)13:15-15:00 第64回大会公開シンポジウム
は会員外でも無料で聴講できるものです。
(その後もたぶんですが、会員と同額の参加費負担で会員外も聴講可能と思われます。大会事務局確認中⇒来た人はOKとのこと)
私も初日に発表しますが、この7月に夏風邪で週末自宅待機になっていたときにまとめた
ヤマトスジグロシロチョウなどの「発香鱗形状」が話題です。

・2017年11月19日(日) 蝶類科学学会・バタフライズフォーラム
こちらの蝶類科学学会のHPをご覧ください。 ⇒バタフライズフォーラムの案内
こちらは、会員外でも1000円の参加費でフルに聴講できます。
a0146869_14041003.jpg



# by yoda-1 | 2017-10-28 14:05 | ☆識別検討室☆

活動近況と鱗翅学会関東支部・秋の集いの案内

前回のブログアップからかなり時間が空いてしまいました。
今年の7月は夏風邪で喉を傷めてしまい、それがこじれて会社は久々に病欠になるし、毎週末は自宅安静の日々となりました。いろいろ撮影ストックを追加する予定が目論見が外れます。その分、11月の鱗翅学会・仙台大会発表用の研究が進みましたが。
8月は週末の天気もよくなかったし、夏季休暇は田舎に帰省で9月の法要の準備でした。
9月の連休は亡き父の13回忌の法事でした。
 その中で、月刊むし11月号用に近縁種識別で「アカセセリ、コキマダラセセリとヒメキマダラセセリ」の原稿準備を蝶友の方々の協力のもと、9月20日の原稿締切で進めていると、その10日前ぐらいに月刊むし編集部から、11月の原稿は予想以上に集まったので、近縁種の連載は1月号に延期してくれないかとの打診が来ました。仕方ないので承諾です。今回も触角での雌雄差を観るために各種の正面画像を集めていきますが、ヒメキマダラ♀雌の正面画像がありませんでした。これは秩父のtef-teffさんにお願いしたら第二化♀雌を見事に撮影してくれました。
 この記事でキマダラセセリのことにも触れたいと、画像整理していると、これまた♀雌の正面が画像ありません。そもそも♀雌との出逢いも過去に一回だけでした。これまた複数の蝶友に9月・10月で2化の撮影機会があれば撮ってくれるようにお願いしていますが、2化以降の本種も非常に稀であります。これらはテングチョウのように、2化は平地においてもごく部分的に発生して、基本年1化のサイクルである可能性があります。
 そのヒメキマダラセセリの2化、キマダラセセリの2化撮影を狙って訪問した場所でのムラサキシジミを紹介します。

#1ー3・ムラサキシジミ♀雌 2017.8.27 群馬県高崎市
a0146869_02341611.jpg

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これはヒメキマだセセリを探しに群馬県の高所を訪問したときのもの。このしっかりした前脚で、♀雌と分かります。(真横からの撮影が不可能で、2枚目・3枚目は複眼と翅裏が同時にピントが合っている画像がなくて同一個体を二重に掲載しています。)
おお高所の個体は,こんなにも斑紋が濃くなって翅裏の外縁側が白くなっているのかとビックリしました。ちょうどジョウザンミドリシジミの高所や北海道産が後翅外半部で白くなってくるのに似てきます。(ここでは久々に、蝶の玉手箱のcactussさんにお会いしました。変わらず精力的にフィールド活動されていています)

#4・ムラサキシジミ♀雌 2017.9.9 埼玉県秋ヶ瀬公園
a0146869_02351953.jpg
これはキマダラセセリを探しに行ったときのもの、この時期平地も高所もセセリでいるのは主にイチモンジセセリであり、ヒメキマダラもキマダラセセリもなかなか2化に遇えないものですね。
このように平地でのムラサキシジミは翅裏模様がクッキリしておりません。これが普通よく見るタイプであることは間違いないでしょう。高所のムラサキシジミが先のように斑紋が顕著になり亜外縁部が白くなるが安定した傾向なのか、今後も観察が必要です。

◆日本鱗翅学会関東支部 秋のつどいの案内  2017.10.14(土)@東大(本郷)
a0146869_02352995.jpg
場所は こちらです。→東大理学部2号館
私も、セセリチョウの触角全般に話題提供します。
会員も非会員も同様に参加できますので、是非ご来場ください。

# by yoda-1 | 2017-09-29 02:51 | ☆展示会等

最近の活動と月刊むし記事案内

◆最近の探蝶
#1・ウラクロシジミ♂雄 2017.6.10 16:17埼玉西部
a0146869_21270426.jpg
この日は全国的に気温の高い日であり、飛びまくって静止しないかと思いきや、現地の空気はヒンヤリしていました。
ウラクロが探雌飛翔する沢沿いはすでに日射が当たらないことも気になりましたが、止ると開翅を始めました。3年間ここに通って初めてのことでやや興奮しました。

#2・ウラクロシジミ♂雄 2017.6.10 16:58埼玉西部
a0146869_21273066.jpg
帰り際に、下方に止った個体も開翅を始めました。シメシメと思いましたが、翅表に汚点のある個体であったのが残念です。♀雌の表も撮れていないし、また来年以降もウラクロ詣でが続きそうです。

翌日6/11(日)は、那須塩原市のクロミドリシジミ、ウラミスジシジミを観察しに遠征しましたが、未発生のようでした。

先週末土曜日は、群馬県北部で探蝶も、アサマシジミを見ることはありませんでした。(採集の方々に聞くと少数の個体はいた模様)
そのまま新潟県に入ると、ウスバシロチョウやサカハチチョウが複数観察されました。
ところどころで、モンシロチョウのようなキアシドクガが群舞しておりました。
翌6/18(日)は天気予報では新潟市より北部では晴れのハズですが、うす曇りで太陽の姿がありません。しかも山の裾野は霞が垂れており、とても蝶が飛ぶ感じがありません。そこで新潟での探蝶は諦めて、そこから福島経由で、那須塩原市を再訪することにしました。

#3・クロミドリシジミ♂雄 2017.6.18 12:29那須塩原市
a0146869_21274334.jpg
気温も22℃ぐらいで低めなので、降りてくれる個体もいるだろうとチェックすると、素直に降下する個体あり。開翅する前に接近し過ぎで樹上に戻りました。

#4・ウラミスジシジミ♂雄 2017.6.18 13:06那須塩原市
a0146869_21280965.jpg
これも素直に降下です。なかなか開翅しないので、しびれを切らしてのパスト連写でした。
a0146869_21285119.jpg
久々のトライでかなりのピンボケ。
a0146869_21290393.jpg
樹上戻る前の止り位置で、半開翅もありました。
後翅側で手前に葉が被っていて残念でした。
大きく開翅するには、もっと寒い時がよいのか、薄日の当たる状況が必要なのか。
なかなか開翅してくれない蝶への興味が尽きません。

◆月刊むし2017年7月号・ゼフィルス特集号
a0146869_21320158.jpg
当方も、「オナガシジミ、ウスイロオナガシジミとミズイロオナガシジミ」で参加できました。
画像提供の蝶友の方々ありがとうございました。
目次内容はこちらでご確認ください。  

◆旧北区の蝶・ヒョウモンチョウ類その1(第二版) VK Tuzov GC Bozano
a0146869_21320848.jpg
a0146869_21322014.jpg
これは最近Bozano博士から出た第二版。
私は昨年12月の蝶類学会で「国内のウラギンヒョウモン」の発表を行った手前、
イタリアのBozano博士から、ヤマとサトはどう違うのかなど、矢のように質問を受けました。
結果、ヤマウラギンはArgynnis xipe の亜種扱い、サトウラギンはA. voraxの亜種扱いで載っています。亜種名は??としています。
これは、六本脚で購入できます。


早く、両種の記載論文が出されるといいですね。


# by yoda-1 | 2017-06-19 22:30 | ☆探蝶記一般